製造工程 7-9

 
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 工程 7. 氷点下0度 ※1 になった時、
      凍てとり作業をします(砕いた氷を均等に
      ところてんにふりかけて表面から凍り始める
       ようにする作業です)

 

  氷点下0度になるまで凍てとり作業は出来ず、
 何度も温度計・外の様子を見に行かなくてはならず、
 作業が夜中・明け方という日もあり天然細寒天作業
 中で重要な作業です。

 

  もしこの作業が遅れたり、作業をしなかった細寒天は、
 表面からではなく芯から凍り、組織が破壊され、
 ところてんの1本1本がスポンジ状の見た目の悪い
 細寒天となってしまいます。



 ※1 天然細寒天で重要な凍て取り作業は経験が
    必要です。
一般的な説明では、上記の様に、
    氷点下0度から凍て取り作業を開始すると記されて
    いますが、、、実際は違います。
     
     水が凍りだすのは、0度ではありません。
    湿度も大きく関係します!! 湿度が低ければ、
    プラス5度以下でも、凍りだします。
     水と同じで、ところてんも湿度が大きく関係して
    きますので、温度だけで判断は出来ません!
     そして、風向きです。風向きも判断材料です。
    南向きの風では、なかなか凍りだしません。
    やはり冷たい風が吹き込む、北向きの風が必要
    です。 このように、読みが凍て取り作業をする
    者には必要不可欠です。 
     また、湿度が高ければ、0度でも凍りません。

     当社では、工場の外に温度計・風向き・湿度計を
    設置しています。 が、やはり自分の感が一番
    です。経験が・・・その朝に凍て取り開始時間が
    なんとなく分かる様になってきます。
    
     この凍て取り作業は、覚えるのが大変です!
    私は、この凍て取り作業術を佐藤さんに
    分かり易く伝授して頂きました。(感謝)
    
     

 

 







     

※上が凍て取り作業を経て、作られた天然細寒天です。

  下は凍て取りをせずに、自然に凍らせた細寒天です。

  分かりづらいかもしれませんが、形状に変化が出来ます。

 


 

   




 

   

   

  ところてんの表面が凍りだす間際に、凍て取り
 作業をします。
 下記写真は、凍て取り作業をし、
 ところてんの表面に、
砕いた氷が線をひき、
 凍りだしていることがわかるかと
思います。

 

 

                                   ↓ 

 

   

 

 

 

 


  
 ところてんの表面に均等に氷がいきわたれば、凍て取り作業が終了です。

 天候状態によりますが、平均約1時間かかります。

 

 

 

  

 

12月某日、本日の凍て取り作業終了はPM9:45でした。


12月上旬は、暖冬傾向にあり、
 当社は
冷凍庫を併用しながら製造をしています。

   

  しかし、冷凍庫を完備されていない、

 細寒天製造業者もあり。暖冬の年は大変です・・・。

 

  N社長さんは、夜中2時に凍て取り作業を
  されたそうです。

   
 そして、早朝より仕事・・・。

 

 このような努力により、「山岡町特産細寒天」が出来上

 がるのです。

 

  お菓子のパケージ裏面に、使用材料 「寒天」 と
 明記
されている商品がありますが、寒天にも、
 粉寒天・
角寒天・細寒天があり、まとめて「寒天」と
 記載されてい
るのが、残念ではあります・・・。

 
 

    

          

 

      翌朝、マイナス5℃(当工場温度計・目測にて)

 表面は凍結していますが。裏返すと、まだところてんが

 凍りきっていないことがわかります。

 

                 

 


       


     2日目、マイナス3℃でしたが・・・。

 

              

      

 

 3日目マイナス2℃、4日目マイナス5℃。ほんの少し

 凍りきっていません。 寒天が表面を覆ってしまう為、

 凍結がしにくくなり、なかなか全体が凍るまでに日数

 がかかります(天候状況など影響します)。

 

 

工程 8.  凍結・融解・乾燥を2〜3週間ほど繰り返す
ことにより水分が蒸発 し乾燥した細寒天が出来上がります。
(製品PH 7 〜 PH 8)   

 

 全体が凍結したら、次は乾かせる作業に移ります。

 太陽が当たるように、傾け乾かせます。

 

    

 

      ↓

 

 

      

 

                 

 

      

 

                 

 

 雨または雪の時には、シートで寒天を覆い、
 濡れないようにします。

 当工場の干場は、1日約100枚のろじ・簾(す)を
 使用し、19日分あります。単純計算で、多い日は
 1900枚を干したり・積んだりします。





                  

   2 〜 3 週間で出来上がります。  

 


     
工程 9. 乾燥した寒天は、精選・選別して出荷します。

天日干しの為、凍結から乾燥を繰り返している間に、

異物が付着する事があります。

精選作業と言い、一枚一枚チェックをしている様子です。

異物があった場合は、専用の刃物で削り落します。


※職場体験学習の様子です。(中学2年生)
生徒さんには、三日間を通し作業を
体験してもらいます。
  


出来上がった一釜分の細寒天は、岐阜県食品科学
研究所で強度・粘度・融点の試験をおこないます。

 

 細寒天は、和菓子に使われる為、
強度・粘度が重要とされます。
   

 

 ゼリー強度<g/cm2>・・・1.5%寒天溶液(寒天6gに清水400ml添加し、逆流冷却器を使用し15分間加熱溶解)、4cm×6cm×20cmの枠にいれ、パラフィルムをせずに20℃・湿度98%で凝固させます。生成された寒天ゲルに20秒で破壊される時のオモリの重さをゼリー強度<g/cm2>で表しています。通常、細寒天のゼリー強度は350〜550<g/cm2>程度であります。

 

 融点・・・1.5%寒天ゲルの試験管を逆さにして過熱し、何度で溶解し始めてそのゲルが離れるかを確かめます。ゼリー強度が高いほうが融点も高くなりますが、それだけではなく使用される天草によっても差が生じます。 

 

粘度<cp>・・・B形粘度計(UL低粘度アダプター使用)を使用。
粘度はcpセチポイズで表しているが、ゾルの回転軸に
対する抵抗値で表している。

 

外国産の天草だけの寒天では、強度は国内産の天草と変わりは見られませんが、粘度に関しては著しく低下します。 

 

 ゼリー強度・粘度・融点は、天草の産地(ゼリー強度が高くなる草など)によって差が生じ、釜炊きに置いても、火加減調整で差が出るなど一定の数値を保つのは職人技です。

 

 




 

 

 

 

 

 

  

 

  

 

       

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