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   製造工程 1-6

 
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一釜一回分の使用天草は乾燥重量にして、 250kgから270kg使用します。

 
 当工場では淡路(兵庫)・大分・和歌山・愛媛・千葉
知多(愛知)・長崎・高知・韓国・
インドネシア・モロッコ・
アフリカの厳選した天草を使用し
製造しております。  
 今年度は使用しておりませんが、三重
伊豆(静岡)徳島、
熊本など、天草の質・量・価格を精査し購入・原料とします。

    

 

 使用天草の産地・特徴

ゼリー強度が出る天草

粘り・糊分の出る天草

大分県

兵庫県

和歌山県

愛媛県

高知県          愛知県
        モロッコ *1   千葉県
        アフリカ *1   長崎県
       韓国
    インドネシア

 

          

 

 

       

 

          

 



『粘り・糊分がある天草のみを煮熟すると、

糊分が多すぎ、ろ過がしにくくなります。

 
 その為、当社は強度が出る天草とブレンドしています。

また、多品種の原材料をブレンドする事により品質が

    
安定し、癖の無い寒天が出来ればと思っています。』
 

                         

*1 輸入天草の配合比率が多い場合、強度は上がるものの、
    粘度は低下すると考えられます。
   




                             
                               

                                                                                                                                      

 

工程 1. 配合した天草の塩分・貝殻・土砂などを除くため、
       水槽に水を入れ約20時間水浸させます(PH 7〜 PH 8)。  

 

*当工場では、水浸時と洗浄時に使用する水は、山岡町の自然に
   囲まれた地下100m(PH 6 〜 PH8 )から汲みあげた
   地下水を使用しています。  

                               








工程 2. 洗浄機(プール式洗浄装置)に天草を移し入れ、約1時間洗います
     (洗浄後 PH 5 〜 PH 8)。 

 
 *工程1・2が大切です。浸水させる時間が短い・よく洗われていないことで、
   天草に含まれるアクなどが残り、煮熟後に濾過されたところてんは、
   黒みがかかり、出来上がる細寒天に影響します。              
                                          


          

 

 

 

                                                    

工程 3. 釜に水道水(PH5 〜 PH7)を入れ(約4t)一度お昼前に
      沸騰させておきます。  

 


     夕方、再度釜を沸騰させ、洗浄をした天草を釜に投入し、
     約1時間炊き込みます。その後、火を止め約13時間、
     釜の中でじっくり寝かします。
      ※炊き込み不足・炊き過ぎによる吹きこぼれ等、
       集中力・経験が必要とされ、この作業で寒天の
       強度・粘度・融点に影響し、寒天作りで最も重要な作業です。

 

     ※煮熟時に天草の外皮を壊し抽出を容易にする為に硫酸を
        添加しますが、原料の天草は、付着又は含有されるカル
        シュウム等のアルカリ成分が中和され、次の濾過工程で
        分離され天草濾宰中に吸収されて大部分は濾別されます。
        
更に干場で数日間繰り返される、凍結・融解・乾燥の
        過程で流下・除去され製品には残留しなくなります。

 


         

 

 

 

                                                                              

工程 4-1 濾過袋に汲み出し、押しぶた・石をのせ搾り出します。

         約4時間後、地下タンク(台舟(だいふね))に天草を
         煮て抽出された液体(主にアガロースとアガロペクチン)
         が溜まります。


     ※濾過袋に残った天草カスは肥料(田畑・山林など)となります。
      また、豚の餌に寒天カスを混ぜ、豚に与える事で肉質が良くなり、
      「寒天豚
 (かんてんトン)」のネーミングで販売されています。 
      寒天カスにはミネラル等が含まれている為、他に鶏など
      動物の餌としても使われています。
 


  ◎ アガロース・・・ゲル化(高い粘性を持ち、流動性を失い、
             系全体としては固体状になったもの)しや
             すい中性多糖。寒天の強度にかかわる。  

 

  ◎ アガロペクチン・・・寒天の成分である多糖の一つ、
                アガロースと同様である。アガロースに
                少量の硫酸とピルビン酸が結合したも
                ので、寒天の弾力性にかかわる。 





             






 

                                 
 
*天草カスです。トラックに乗せ田畑に散布します。
   この時点で細寒天の大まかな強度が推測されます。
   濾過袋から出す際、原形を留めない天草カスの場合は、
    当社では強度が480gc以上と推測できます。
    
        



 工程 4-2 替え越し作業→ポンプを使い凝固舟(小舟)に寒天液を
                  移し入れ、室温で18〜20時間静置して固めます。


           ※凝固舟 → プラスティック製(38×89×15cm・容積50L)

 

   ☆ ゼリー強度の一定化について
       濾過された寒天溶液は、時間が経つにつれ、下層部に強度が
       高い・上層部に強度が低い、寒天溶液となる傾向があります。

 

       寒天溶液を、当社では下層部から、ポンプで凝固舟に
       汲み上げる為、最初の凝固舟の強度は高く、最後の凝固舟の
       強度は低くなる傾向がありました。

 

      汲み上げる間際に、「かき混ぜれば?」と提案がありましたが。

 

       旧工場では、粗固(ぞこ→粗悪な沈殿物)が出る事により、
       かき混ぜる事で粗固が全体に拡散してしまい。かき混ぜると
       いう行為が、出来ませんでした。
   

 

       しかし、新工場において、地下タンクと絞り枠をステンレスに
       変えたところ、『粗固』が極少量となり、寒天液をかき混ぜた後、
       凝固舟に移し入れる事が出来る様になりました。
       これで課題とされていた、強度の一定化が出来るのでは
       ないかと思っています。
        

 


         

                  

 


 

工程 5.  翌朝、凝固したところてんを、28本の角柱に裁断し。このまま屋外の
       干場へ運びます。  
        (下の写真は、切断に使用する道具です。)  

 




    

 

 

工程 6.  天突き作業→よしずの上へ羊かん状に切ったところてんを
                   天筒で突出し、手で同じ厚みとなるよう広げます。


        ※天候状態により、一度も凍結されていないところてんは、
    ハナ焼け・黄ばみの原因となるため、シートで対策を施したり
    こまめに水をかけ、良質な細寒天が出来上がるよう心がけています。

      
      ハナ焼け→ところてんの状態で日差し又は風で
            水分が飛ばされ、細寒天の1本1本の
            先が飴状になる事。
            使用の際、かたまった箇所は
  
           溶けにくい寒天となってしまいます。

                               

   



             



          
      *外気を利用して、凍らす事が容易では無いときには、
      冷凍機を利用し凍結させます。


 ここ数年、”暖冬傾向”が顕著に表れています。
その為、冬場でも冷凍機を使用しなければ良い細寒天が出来ない
気候になっていると感じております。


 天候状態(夜は冷え込みが弱く、日中は晴れ・気温が高い)よっては、
ところてんが傷んでしまう為、手作業で時間をかけ、冷凍庫(‐25℃〜-35℃)
に運び入れます。
 

 

  

 

≪製造工程7−9≫